おーたむのブログ

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8資産均等型のバランスファンドと、年金と同じ運用を目指す「iFree 年金バランス」

 こんばんは、おーたむです。

 今回もバランスファンドの話の続きをします。

 

 バランスファンドは前回書いた、「楽天・インデックス・バランス・ファンド」と「世界経済インデックスファンド」以外にも様々なものがあります。前回は、債券と株式によるバランスファンドについてのみお話しましたが、その他にしばしば利用されているのは、8資産均等型のバランスファンドです。

 具体的には、8種類の資産に同じ金額ずつ投資を行い、必要があれば自動的にリバランスを行うというものですね。8資産というのは、

 

・日本国株式、債券、REITの3資産

・先進国株式、債券、REITの3資産

新興国株式、債券の2資産

 

 を合わせたものになります。それぞれの資産を12.5%ずつ保有します。新興国REITを含んだものはないのかと思うかも知れませんが、バランスファンドで新興国REITを含む物自体が少ないです。

 

 eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)

 8資産均等型の代表的な投資信託は、「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」です。信託報酬は税抜0.159%とかなり安いです。というのも、eMAXIS Slimシリーズは、三菱UFJ国際投信が販売している投資信託のシリーズで、運用コストを業界最低水準にすることを目標としているためです。純資産総額も、2018年4月27日時点ですでに109.3億円と十分な上に、8月中に150億円を超えたため、繰上償還のリスクは低いものと思われます。これもオススメのバランスファンドの1つです。

 

SMT インデックスバランス・オープン

 新興国REITを含んだ9資産のバランスファンドで、1番オススメなのはこの「SMT インデックスバランス・オープン」です。今はなるべく株式のみに投資するようにしているので、現在は投資していませんが私も以前この投資信託を積み立てていました。世界経済インデックスファンドの親戚のような投資信託で、株式40%、債券40%、REIT20%の割合で構成されています。日本、先進国、新興国の割合は、それぞれのGDPの比を参考に決定されます。様々な国の、様々な投資先に分散して投資したい人にオススメする投資信託です。この投資信託の欠点は、信託報酬が税抜0.5%とややコストが高いこと、純資産総額が30億円強とやや少ないことです。

 

ホームカントリーバイアス

 VTの国別構成比でアメリカが約50%、日本が約9%であることを以前の記事で書きました。しかし、日本人の中には、多くの方がアメリカの会社の株は買わずに、日本企業の株ばかり買っている人も少なくないと思います。恐らくその理由は、日本企業のことなら情報が手に入りやすいというのもあるでしょうが、本当なら強い会社はアメリカに多いのですから、アメリカの会社の株もたくさん買ったほうがいいでしょう。

 このように自分の国に多く投資しがちであることをホームカントリーバイアスといいます。

 

 これを踏まえて、8資産均等型の日本の割合を見てみましょう。37.5%ですね。一方、SMTインデックスバランス・オープンではGDP比を参考に投資先を決めており、日本の割合は10%です。8資産均等型では日本に大きく偏っていますね。これがホームカントリーバイアスです。もちろん、日本の会社を応援したいから、37.5%でもよいという人もいると思います。このあたりは個人の考え方でいいと思いますが、ホームカントリーバイアスというものがあるということは知っておいて損はないです。

 8資産均等型の欠点も書きましたが、「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」は、コストが安く、繰上償還の可能性も低いことから、バランスファンドの中では初心者が始めるには最も無難な投資信託であると思います。

 

iFree 年金バランス

 これは、2018年8月31日より購入が始まったばかりの新しいバランスファンドです。

 

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人

 我々が収めた年金(厚生年金と国民年金)の一部は、GPIFという機関が、株式や債券に投資することで運用を行っています。一部といったのは、毎年高齢者に支払われている年金の内、9割は若い人が支払った年金と税金でまかなわれているからです。GPIFの関与はわずか1割なんですね。といっても、GPIFの運用額は、約159兆円(平成30年度第1四半期末現在)と世界の年金基金の中では最大で、GPIFは世界最大の機関投資家と言われてるくらい、市場に大きな影響を持っています。

 さて、GPIFのポートフォリオを見てみましょう。

基本ポートフォリオ | 年金積立金管理運用独立行政法人

 

・国内債券35%、国内株式25%

・外国債券15%、外国株式25%

 

 となっており、日本の割合が60%、株式と債券の比率が1:1となっています。非常にホームカントリーバイアスの強いポートフォリオですね(笑) 現在は株式、債券の比率が1:1ですが、これは第2次安倍内閣により株式の比率が高められたことによるもので、もともとはもっと債券の比率が高かったです。この話はニュースにもなりましたから、聞いたことがある人も多いかと思います。国民から集めた年金の運用を行うわけですから、保守的なポートフォリオとなっています。株式が長期的に見れば、リターンが最も大きいことは分かっていますが、リスクは大きいため、GPIFのポートフォリオではリスクをなるべく減らしたポートフォリオにしているわけですね。

 

本題の「iFree 年金バランス」

 ここまで来るとなんとなく想像できると思いますが、「iFree 年金バランス」は、このGPIFの基本ポートフォリオとほぼ同様のポートフォリオを作ることを目指して設立されたバランスファンドです。つまり、年金と同じ資産運用ができるわけです。

 

 GPIF基本ポートフォリオのリターンはどうでしょうか。↓の運用実績をご覧ください。

最新の運用状況ハイライト | 年金積立金管理運用独立行政法人

 

 年率3%のプラスとなっています。S&P500と比べれば低いですが、預金にしておくよりは遥かにいいと思います。リスクは低めとはいえ、資産が減ることはもちろんありますが、長期的に見れば、このように資産運用でお金を増やすことができているわけです。

 信託報酬は税抜0.159%と、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)と同じになっています。これから純資産総額がどうなるかは未知数ですが、コンセプトとしては非常に面白く、私も少額の積立を検討しています。

 

注意点

 あくまで、GPIF基本ポートフォリオを目標としているわけであって、GPIF基本ポートフォリオそのものではないことは注意してください。特に、国内債券については、アクティブ運用となっています。

 

 

 次回は、個人の年齢、収入、資産額などに応じて、最適なポートフォリオを教えてくれる「ロボアドバイザー」について書きたいと思います。

 

※本記事は、年金積立金管理運用独立行政法人 - Wikipediaを参考に作成しました。