やっぱりアクティブファンドはインデックスファンドに勝てない(2)
こんばんは、おーたむです。
今日も以前に紹介した「インデックス投資は勝者のゲーム ──株式市場から利益を得る常識的方法」の話です。以前とは違う章をについて書きたいと思います。
第11章 平均回帰――昨日の強者は明日の敗者
第10章の記事では、いかにインデックスファンドにアクティブファンドが勝つのが難しいかについて書きました。ただ、アクティブファンドの中にはインデックスファンドに勝つものがあることも事実です。
アクティブファンドを選ぶ上で、直近の数年の成績は、そのファンドのよしあしを知るための重要な情報となります。実際に、私が購入しているアクティブファンドの3つのうち2つをそういった基準で選んでいます(もう1つはファンドのコンセプトで選んでいます)。直近の成績がよいものに投資すれば、今後もインデックスファンドに負けないパフォーマンスを出してくれるような気がしますが、果たしてそれは本当でしょうか。
ボーグルは、米国株投信のアクティブファンドの成績を、2006~2011年と2011~2016年でどう違うか調べました。それぞれの期間のすべての投信について、リターンがよかった順に5つのグループに分類します。ここでは、上位1番めのグループをA、2番めをB、…、5番めをEとします。全部で1,762の投信があり、各グループに352または353の投信が含まれました。つまり、Aグループにはリターン1位から353位までの投信が所属し、Eグループにはワースト1位~352位の投信が所属しました。
2006~2011年にAグループに所属した投信が、2011~2016年にどうなったかというと、Aグループにとどまり続けたものが13%、Eグループに転落したのが27%、Dグループに転落したのが25%で、ファンドが消失したものが10%でした。
一方で2006~2011年にEグループにいた投信は、2011~2016年には、Aグループに這い上がったものが17%、Eグループのままだったものが12%、消失したものが26%でした。
上記で何が言いたいかというと、2006~2011年にどんな成績を収めていようと、2011~2016年の成績はランダムになるということで、これを平均回帰と言います。
たまたまこのときだけそうだったのではないかという反論を見越して、ボーグルは、2001~2006年と2006~2011年の成績でも比較していますが、やはり平均回帰は働いていたとする結果が出ました。
以上をまとめると、今の成績がよくても悪くても、未来の結果はよくも悪くもなるということで、過去のパフォーマンスはまったく当てにならないということです。
まとめ
結局アクティブファンドを選ぶ上で、直近のパフォーマンスはまったく当てにならず、コストが高い分インデックスファンドに比べて損をしますから、やっぱりインデックスファンドを買っておけばよいということになります。
前回も言いましたが、アクティブファンド、個別株にばかり投資している人は、戦略を見直したほうがいいと思います。